2月から開始されている、倉敷芸術科学大学を中心とした研究チームによる『人魚のミイラ』の科学的検証プロジェクトに、新たな展開がありました!
霊長類的特徴と魚類的特徴を兼ね備えていることが、科学的な調査で分かったのです。
世界各地で「人魚」の発見報告や、古くから伝わる伝説がありますが、今回の研究チームは生物学的・民俗学的の観点からの、とっても真面目な調査なのです!
4月に入り、中間報告が行われ、倉敷芸術科学大学の研究チームに、全国の注目が集まっています。
そもそものきっかけは、、、そして、それぞれの思い。
今年(2022年)の2月の出来事なので、記憶に新しい方もいらっしゃると思いますが、ご存じ無い方のために、当時のニュースをおさらいして見ましょう。
岡山県浅口市の円珠院というお寺に、江戸時代から伝わる『人魚のミイラ』が保管されていました。 その『人魚のミイラ』に、妖怪や民間伝承を研究する、岡山民俗学会の木下浩理事が関心を持ち、倉敷芸術科学大学のメンバーらに共同研究を提案したしたのがきっかけで、このプロジェクトが始まりました。
KBS瀬戸内海放送のニュースの動画(Youtube動画)は、こちら
RSKイブニングニュースの動画(Youtube動画)は、こちら
倉敷芸術科学大学動物生命科学科 武光准教授 (写真上・右)
「変わった動物のCTを撮ることは、自慢のネタになる」
倉敷芸術科学大学健康科学科 加藤教授(写真下・左)
「科学的な好奇心がとても大きい」
岡山民俗学会 木下理事(写真下・右)
「昔の人が何を託していたのか、ミイラの向こうにあったものを透かして見たい」
円珠院 柆田住職(写真上・左)
「(保管方法について)どういう方向で一番理想なのか、この先何百年もこの状態を保ってあげたい」
研究チームの全ての方が、ワクワクしている様子が、動画からうかがえました!
そして、その中間報告の内容は、、、
そして先日の中間報告では、表面観察やエックス線CT検査などで、外観や身体構造が判明し、報告されました。
上半身は正面を向く眼窩(がんか)や5本指の両腕、頭髪などがあり、霊長類の特徴を備えています。また、半身は背びれや尾びれを持ち、うろこに覆われ魚類の特徴を持つ外観です。
⇒眼窩(がんか)とは、目玉の穴のこと
歯は円すい型で、臼歯に相当するものが無いなど、肉食性の魚類を想起させる形状でした。
そして、CTなどの調査では、内臓は確認できませんでした。
しかし、新たな事実として、抜け落ちた体毛に哺乳類同様のキューティクルがあることや、首と背びれに金属製の針が刺さっていることが、新たに分かりました。
そして、腕や肩、頬などには、下半身とは形の異なるうろこが確認されたのです!
最終報告は、9月。
今後の調査は、科学的調査として、骨格や毛について他の生物と比較するほか、剥がれたうろこのDNA分析、剥がれた組織の放射性炭素年代測定などを、実施する予定なのだそうです。
「人々にとってのミイラの意味とは?」 といったような民俗学的見地からの調査も、継続していく予定ということです。
今から、9月の最終報告がどうなるのか、楽しみですね!
【おまけ】人魚のミイラが展示(一般公開)されます!
9月の研究結果の報告に先立ち、7~9月に倉敷市立自然史博物館(同市中央)で『人魚のミイラ』が、一般公開されることになりました!
日程は、7月16日〜9月25日 です。
百聞は一見に如かず!
夏休みは、倉敷市立自然史博物館へ『人魚のミイラ』を見に行ってみよう!
倉敷市立自然史博物館では、『むしむし探検隊』の活動サポートスタッフ(大学生以上)を2022年3月31日まで募集中です! 4月からの1年間、昆虫好きの仲間たちと素敵な思い出を作ってみませんか? 応募はかんたん! T[…]